不整脈

納豆の日・・・

投稿日:2021-07-10 更新日:

佐久間クリニックの松下です。

最近天気が悪い日が続いておりましたが、今日は久々に晴れましたね。

暑い中、診療・ワクチン接種のため来院して下さり、ありがとうございます。

換気の問題もあり、院内はなかなか涼しくなりません。
ご不便おかけしますが、ご理解の程よろしくお願い致します。

本日も車で出発しようとすると、カーナビが教えてくれました。 

ピコーン! 今日、7月10日は納豆の日です!!

・・・・・・・。
ありがとう。気づかなかったよ。

会う人に、『今日は納豆の日だよ!』といいたいけど、皆さん反応に困りそうなので、今日も結局誰にも言えません(このカーナビこんなのばっかり)。

という事で、今日は納豆の話題です。

循環器内科医として外来をやっていると2週に1回くらい、患者様に

血液サラサラの薬を飲んでいるから、私って納豆食べられないの???
友達に言われたんだけど・・・

なんて聞かれます。

意外と皆さん納豆好きなんですよね。

まず最初に結論を言いますと、

血管内に血栓ができないように血液を固まりにくくさせる薬はいろいろありますが、その中でワルファリンカリウム(商品名はワーファリンでした)という薬を飲んでいる人だけは納豆を食べてはいけません。

ワルファリンカリウム(ワーファリン)以外の血液が固まりにくくする薬を飲んでいる方は納豆を食べても全く問題ありません。

という事でここから少しワーファリンの話です。

ワルファリンカリウムという薬は、『血液が固まるのに必要なビタミンKの働きを妨げる事により血液を固まりにくくさせる』という薬です。

という事でワルファリンがビタミンKの働きを妨げてもそれ以上に人間の体の中にビタミンKが入ってくると血液が固まりやすくなってしまう、というわけです。

という事は、納豆にはビタミンKが多いんだね!

と考えたいところ(私もそう思っておりました)ですが、

実は納豆自体のビタミンKはそれほど多くはなく、納豆菌が大腸でビタミンKの産生を促進させることが問題の様です。そのため、他の大豆製品を食べても大丈夫なんですね。

また、この話から想像されるように、他のビタミンKを多く含む食べ物もワルファリンカリウムの効果を抑制します。

クロレラや緑黄色野菜を摂りすぎてもいけません。なんて話もしますが、これらは『食べ過ぎないでね。』であり、納豆のように『少しでもだめですよ。』ではないのです。それだけ納豆菌の大腸でのビタミンK産生促進が圧倒的なんですね。

と、いう事で

ワルファリンを飲んでいる方は納豆をたべないでね。

という事になるのですが、近年、ワルファリンを使う場面はかなり減ってきております。

1950年代からずっと使われてきたワルファリンですが、新しい薬の登場により、使用する場面は限られてきております。

今までワルファリンが一番使われていた、『心房細動による脳梗塞の予防』 に対しては2011年から順次発売されてきた直接作用型経口抗凝固薬(DOACと呼ばれており、商品名でいうとプラザキサ、イグザレルト、エリキュース、リクシアナ)を選択するのが一般的となり、心房細動においてワルファリンを使用する場面は「患者様の腎機能が悪い時」に限られるようになりました(後で書くようにワルファリンは血液検査でどれくらい効いているかどうかを調べながら使用します)。

これらの新しい薬(DOAC・・巷ではドアックと呼ばれております)は、

・内服するとすぐに効き、やめるとすぐに効果が切れる(ワーファリンは数日かかる)

・大規模臨床試験において大出血の合併症のリスクが少ない

・ワルファリンは生活の影響(前述の食生活など)を受けるため、効果を見るために毎回採血をしてPT-INRを測定しなくてはならないが(PT-INRが高いと出血リスク↑↑、逆に低いと効果がない!)、新しい薬(DOAC)は行う必要なし

などなど、ワルファリン(ワーファリン)と比べ、有利な点が多く、

最近ではDOACを使用していないと

あの先生、なんでDOACじゃなくてワーファリン使ってるんだろう・・

なんていう他の医師からの目も気にして(外見とか気にしないくせに!)、ここ数年で一気にワーファリンからDOACに変わっていきました。

という事で現在、『絶対にワルファリンじゃなきゃダメ!』という場面として、すぐに思いつく状況は

①心臓手術後で機械弁が入っている患者様の血栓予防(機械弁に血栓がつかないように)

②僧帽弁狭窄症による心房細動(令和の時代ほとんど見ないですが・・・)

③心筋梗塞後の心室瘤において心臓内にできる血栓の予防もしくは治療の時

の3つくらいでしょうか。

最近は新型コロナばかりで勉強不足の為、ガイドラインが変わっているかもしれません。
間違っていたらごめんなさい。

とにかく、以前と比べてワルファリンカリウム(ワーファリン)を使用する頻度は少なくなってきておりますので、納豆が食べられないというケースは相当少なくなってきたのではないかと考えます。

という事で本日のまとめです。

友達に『あんた納豆たべられないよ!』っていわれた人のほとんどは納豆食べられます。

心配ならば外来の時にいつでも聞いてくださいね。

最後にワルファリンの劣るところばかり書いてしまったのでワルファリンがDOACに対して優位な点を。

ワルファリンのメリットは価格です。
先発品・ジェネリックともに1㎎も0.5㎎も1錠9.8円!
3割負担で1錠3円! 1割負担で1錠1円!
3㎎の内服で1か月だと3割負担で月270円。一方のDOACは結構高くて3割負担で1か月4950円かかります。

という事で

医療費抑制を考えたらワルファリンの方がいいのかな?

なんても思うのですが、PT-INRの採血を毎回すると考えるとそんなに変わらないのかも・・・

おわり

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